レナ「ドンとリトさんがデートするんだって」

世界紹介?も兼ねたちょっとしたお話し。時系列は去年辺りかなぁ

独自なので特にキャラの許可とかとってないよ。(問題発言)

 

 

アテナ「はは、まっさかぁ」
 
ユディー「あり得ませんよ」
 
ロン「ドンが明日、大勲章をもらうって方がまだ現実的だな」
 
ティー「もっとあり得ねーな」
 
一同「あっはははははは!」
 
レナ「でも今朝聞いたんですよ?ガルシアさんだって」
 
アテナ「いくら二人がデートしてないからって…」
 
レナ「でも場所はまだわかりませんけどね。そのうち軍の方達が調べるんじゃないでしょうか?暇ですし」
 
ガルシア「港町だそうだ」
 
ユディー「うわああああ!?」
 
ガルシア「…そこまで騒ぐほどでもないだろう?」
 
アテナ「…いつの間に」
 
(入り口から近いテーブルで水を啜るガルシア。椅子から転んだユディーやアテナ達の反応に軽く笑って店員さんを呼ぶだろう)

ガルシア「ずっと居たさ。ロンが馬鹿笑いする前から」
 
ガルシア「それが俺も、こっそり聞いてしまってな」
 
レナ「ね?ガルシアさんもそう言ってるんですよ」
 
アテナ「そういえば二人ともデートしたって聞いてないよね」
 
ユディー「調査で色んな世界に行ってるからそれがデートかな…とは話してましたけど…」
 
ロン「まぁとりあえず…賭けるか!」
 
レナ「何も発展しないに1万。」
チェルク「Aに1000円だしましょうかな?」
アスタ「じゃあ私はBに1000円」
アテナ「えーっ、皆賭けるの?じゃ俺は…Cに1000円出す」
ミニッツ「Dに3000円」
ロン「Dって?」
ミニッツ「プロポーズ」
ロン「ドンが!プロポーズ!!!んなもん絶対できねーよ!」
全員「はははは!!!」
 
ユディー「 や め な さ い !」

(ロンが腹を抱えて笑い、店員たちも口元を隠すように思わず微笑んだ。ユディーが怒鳴りながらテーブルを強く叩き立ち上がると店内が静まり返る。遠くでココアを飲みながら話を聞いていたガルシアも声に振り向いた)
 
ユディー「いくらデキ婚鬼畜ドサイドンドンさんの事とはいえ、ヒトの恋路でかけ事なんて最低ですよ!馬に蹴られて地獄に落ちますよ落としますよ!?」
ガルシア「…ユディー?」
 
アテナ「そういえば、AとかDだのはともかく、BだのCだの判断はわからんしな…」
ミニッツ「つまり賭け事としても成立してないのではありませんか………これ」
ロン「チッ、バレたか」
ガルシア「というわけで、賭け金は没収だ」
ロン「ああああ!ちょ!ダルマ!」
ユディー「ロンさん!己がしたことを少しは反省してください!」
ロン「…さーせんっした。」

ガルシア「まぁこの金は…そうだな。二人のデート資金にでもしてもらうか」
ロン「なーんでドンに!!?」
ガルシア「良いかロン。軍としては二人のデートが上手く行ってるかどうか…見届ける権利ぐらいありそうなもんだが、なぁ?」
一同「。。。。。。!」
ロン「…1000円やるよ。」
ユディー「ぼくも3000円…」
ティー「・・・・・・・・・・・・チッ」
ティー「2万。」
一同「おお……!」
(それから時は過ぎその週の日曜日・・・)
 
 
 
 
―ポケルディア港町、スタジアム前―
 
レナ「時間になりました」
 
ロン「ああ」
 
アテナ「リトがまだ来てないね。お化粧してるのかな」
 
ガルシア「あれじゃないか?」
 
ロン「あれかぁ・・・?嫁ちゃんもう少し腹周り太かったような」
 
ユディー「海に投げますよ?」
 
アテナ「もうちょっと近づいてみればわかるんだけどな…」
 
ユディー「これ以上はダメですよ!こっそり来てるってカンづかれたら…」
 
アテナ「ドンだし大丈夫だって」
 
ガルシア「やめとけ、ドンは意外とカン良いぞ。尾行や追跡を撒く訓練を…たしかギディから受けたと聞いた」
 
ガルシア「だからこうして、俺も身を低くして港市場のカフェから覗いてるんだろう?」
 
アテナ「げーっ、いつもは鈍感なのにー。あっここのモーニング美味し」
ユディー「あの、その前にこんな大人数じゃ」
一同「大丈夫大丈夫!」
 

レナ「なにか話してますね」
 
ロン「アテナ、読唇術は使えないか?」
 
アテナ「…流石に無理だよ;」
 
ガルシア「ま、たせて、ごめ…ん。 い、いや…それ、じゃ…い、こ、う、…か」
 
ガルシア「だって」
 
ユディー「読唇術できたんですか!?」
 
アテナ「時々ガルシアが偉い人って忘れるよねー。」
 
ロン「とりあえず、あれがドンと嫁ちゃんってのは確定だな。」
 
アテナ「何か話し込んでるね。ガルシアなんて言ってるー?」
 
ユディー「あの、会議あるからってお金置いて帰りました…」
 
ロン「本当に肝心な時は役に立たないな!」
 
レナ「まぁ良いじゃないですか、前々からそんなヒトでしたし…」
 
アテナ「あっ、でっかい馬車に乗り込んだ。移動するみたいだよ」
 
ユディー「うーん…博物館?」
 
レナ「またはご飯食べに島に」
 
ロン「カレー屋じゃね」
 
アテナ「あれこの方向…レナが前いた運び屋がある所じゃない?」
 
一同「えっ、な…なんで……?」
 
ロン「とにかく俺達も追うぞ」
 
 
―馬車内―
 
ロン「旦那、前の馬車を追ってくれ。運賃は軍の第一中隊に後で請求頼むわ」
 
アテナ「しっかしドンも乗れる馬車なんてあるんだなー」
 
レナ「運賃は少し高いけど、他にも大きなヒトも居ますからね。ない事に越したのはありません」
 
ユディー「でもどこで降りるんでしょう?…このままポケルディア一周デート?」
 
ロン「流石にそれはねーよ。花より団子みたいなカップルだし…あんまり身を乗り出すなよ?」
 
アテナ「あっ、二人とも居りたよ!」
 
 
―最南部、住宅街―
 
レナ「運び屋や店がある大通りじゃなくて、住宅街…?」
 
ロン「もう住まい探しでもするのか…?」
 
アテナ「ドンとリトがデートで住宅街って……;」
 
ユディー「…頭がグラグラしてきました」
 
レナ「待って、ここで何するのか理解出来ない…」
 
アテナ「しばらく様子見かな…あれロン、どこいってたの?」
 
ロン「この時期の大通りでしかないんだぜ?おでんカンって奴だ」
 
ユディー「自販機じゃなくて路肩でヒトが売ってるんですね。」
 
アテナ「俺大根とタマゴ!」
ロン「あっ良い物二つもっていきやがった」
 
ユディー「僕さつま揚げとお出汁で」
 
レナ「遠足出来てるんじゃ…私コンニャクね」
 
ユディー「カンにしてはダシがしっかり…暖ったまるなぁ。…あれ、なんだか様子が変
ですよ」
 
アテナ「…ドンが焦りだしたね。」
 
レナ「あっ、また馬車捕まえた」
 
ロン「実戦でいきなりミスするのか…あああああ!俺の分がねぇ!」
 
 
 
―再び馬車内―
 
アテナ「ドン、一体どこにいくつもりなんだか」
 
ロン「俺の予想はこのまま港町に戻ってスタジアム、そこでバトル観戦かドンがジム戦に出てリトがそれを見学。お前の話だとタマゴできてるんだろ?ダブルバトルはしないで公園に行ってゆっくりするんじゃないか?」
 
アテナ「触った時はそんな感じだったけど…」
 
ユディー「でも彼女を置いてドンさんがバトルしますかね?やっぱり港町でお買い物なんじゃ?」
 
レナ「スタジアムじゃなくて港町から乗り換え、北に向かって目的地はバトルタワーね。それがドンさんらしいじゃない」
 
アテナ「なんだかんだこっちは一か月過ごしたのに、ドン達では5年経ってるからなー。暮らしに慣れてるじゃ」
 
ロン「……ハァ」
 
ユディー「ど、どうしたんですかレナさん」
 
ロン「ついにドンに先越されたんだなって。軍暮らしだからこの先女なんてできねーんだろうなって」
 
一同(…かける言葉がみつからない)
 

―ポケルディア北部、バトルタワー前―
 
レナ「ね、言った通りでしょ?」
 
アテナ「わあ!本当にバトルタワーだ!近くに他に施設とかないの?」
 
ロン「タワーの裏に特殊バトルが行われるイベントスタジアムがあるな。後は…博物館と馬車待ち場の出店と公園くらいか」
 
ユディー「そういえば、ここに来る途中で小規模なバトルを見かけましたね。」
 
アテナ「目と目が会ったらポケモンバトルってのはどこも変わらないんだなー。あっ、見て見てユディー!ライボルト!ビリビリふさふさ!」
 
ロン「あっ馬鹿!アテナ!」
 
アテナ「大丈夫だって!ドン達もう上に行っちゃったよ」
 
ユディー「上に居るなら見失わないし、良いんじゃないですか?すいません一枚お願いします―!」
 
レナ「ロンさんは入らないの?」
ロン「仲間はずれは嫌だぜ…タイマー5秒で撮るぞ!」
 

―バトルタワー特別展望台―
 
レナ「あっ、いた」
 
ユディー「バトルタワーは複数の参加者とランダムでマッチングして各階でバトルするんですね。対戦相手がスタッフじゃなくて参加者ってのが変わってますね」
 
アテナ「最上階が展望台っていいなー。」
 
ロン「しかし、景色見るだけで2400ポケドルまたは円ってのはボッタくりじゃねーの?」
 
アテナ「こーゆー所はカップルとか観光客が殆どだしね」
 
レナ「いちゃつくショバ代みたいなものよ」

ユディー「二人とも、結構良い感じみたいですよ?」
 
ロン「ヒトもあんまり居ねーんだしさ、ドンも嫁ちゃんの肩抱いてキスでも決めてちゃえばいいのに」
 
アテナ「まっさかぁ!ドンがそんな事出来るタイプだと思う?」
 
ロン「でもお姫様だっこで嫁ちゃん担いでるぞ」
 
レナ「あれはそっちの方が楽だって言ってた」
 
ユディー「にしても、二人ともなーんにもしゃべりませんね…」
 
アテナ「意外と奥手そうだよね、バトルの時と大違い」
 
ロン「一生前に進めない奴だな」
 
レナ「ね…;」
 
 
―2時間経過―
 
アテナ「…あの位置から微動だにしないけど」
 
ロン「基地がある方角じゃねーのに何見てるんだろうな」
 
ユディー「何だか逆に長年連れ添った夫婦の雰囲気的なものを感じます……」
 
レナ「……あの2人を飽きずに見てる私達も私達だけど」
 
ロン「うーん、にしてもこの後どこ行くんだろうな、このまま展望台に居るわけもあるまいし」
 
レナ「やっぱり博物館…だよねぇ」
 
アテナ「なんだか嫌そうだけど」
 
ロン「早い話お化け屋敷」
 
ユディー「ひいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃ;」

ロン「あの体格からして特大客席4000円払ってイベントバトルはないだろう?」
 
アテナ「コスパの問題かなぁ」
 
レナ「コスパの問題ならセット券が良いんじゃないの?」
 
ロン「あれは3階下の展望台にしかこれねーよ。旅行客相手の姑息な罠って事だ」
 
ユディー「ぼ僕お化け屋敷はあんまり…」
 
ロン「んだよ、同じリザードンなのに怖いのかぁ?」
 
ユディー「当たり前ですよ!夢に出てくるんですから!」
 
レナ「あっ、ドン達エレベーターに向かった」
 
ロン「…覚悟決めるんだな」
 

バトルフロンティア内・ポケルディア博物館地下1階―
 
アテナ「ポケルディア館、かぁ…」
 
ロン「世界中に色んなテーマを模した博物館があってな、ここは古代の出来事と近代戦争の戦いの事が中心だ」
 
アテナ「にしても全種類ポケモンの人形が…化け物だなぁ。レトロというか、パチモンというか…」
 
レナ「ね?これがお化け屋敷って言われてる理由よ。二人とも入ったけど…ユディーさんどうします?」
 
ユディー「こ、こここまできたら行きますよ……僕には二人を見守る責任がありますので………;」

アテナ「このピカチュウぶさいくだなー。ここまでずんぐりむっくりじゃないんだぞ。」
 
ロン「そうか?最初の頃はこれくらい丸かったぞ」
アテナ「?」
 
レナ「私ここの人形嫌い、目が虚ろで無機質…睨まれてるみたい」
 
ロン「本番は中だぜ、リアルというか、やけに生々しい草タイプのがだな…」
 
アテナ「ね、ねぇ…ロン」
 
ロン「どうした、もう怖いのか?」
 
アテナ「ユディーが…」
 
ユディー「(白目)」チーン
 
レナ「ピカチュウ前で倒れてる…」

一同「・・・・・・もう?」

―1時間後―
 
ユディー「ぅ…ぅぅ……」
 
レナ「ユ、ユディーさん…;」
 
アテナ「まぁ、こうなるよね」
 
ロン「だからって、入り口前で倒れるかぁ?」
 
レナ「……向こうの人も気遣って入場料、返してくれましたしね」
 
ユディー「………はっ!ドンさんは二人は!!!!?」
 
レナ「あ、気が付いた」
 

アテナ「二人ならそろそろ…あっこの振動は」
 
ロン「隠れろ!」
 
キャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッキャッ
一同「・・・・・・・」
ユディー「…あの二人、手、繋いでますよね」
アテナ「だね」
ユディー「な…中でなにがあったんですかあの二人……」
レナ「さ、さあ…;」
ロン「うがあああああああああああああああああ!!!!!!」
アテナ「騒ぐなバレるって!!!!」
 
 
―バトルタワー前―
 
アテナ「ふうー、かった買ったー」
 
ユディー「そんなに何を買ったんですか」
 
アテナ「えーっとね、プリントクッキーにソフトキャンディーに怪獣グループのキーホルダーとトッププレイヤーの名鑑誌とベスト場面集!」
 
アテナ「それからタワーライターにマグネットにクリスタルパズルにボールペン!後カッコいい剣のキーホルダーも!」
 
ロン「 土 産 屋 に あ る 謎 の 魔 剣 買 っ た の か 」
 
レナ「かっこいいじゃん」
ロン「お前もか…」
 
アテナ「ところでドン達はー?」
 
ロン「あいつらなら中央の公園でメシ食ってた。」
 
ユディー「ここでもカレーパンって好きですよねほんと…」
 
アテナ「洗脳されてるなぁ…あっ歩き売りだ!わーい!チキン入り激辛カレーパンくださいー!」
ロン「おい」
 
レナ「この後二人とも行くなら馬車待ちに向かいながら出店通りかしら」
 
ユディー「でしょうね」
 
 

バトルフロンティア入口付近―
 
アテナ「わーいこっちでも沢山色んなのがある!」
 
レナ「今度はドンさんの腕にリトさんが組み付いてますね」
 
ロン「うがああああああああああ!!!!」
 
レナ「悔しいのはわかりますけど、恥ずかしいですよ…」
 
アテナ「ね!ね!射的あるよ!あっちには技マシンも売ってる!あっ!!!掘り出し物の店だって!!!!!見てユディー!!!!!タピオカもあるよ!!!!!!!!あーっクレープだ!!!」
 
ロン「子供かよ;」
 
レナ「あれ、そういえばユディーさんは?」
 
 
店員「お兄さんお兄さん、これ食べていきなよ」
 
ユディー「あ、ありがとうございます…」もぐもぐ
 
店員「おいしいでしょ?今ね、これ3袋で1000円だからお得だよー?ポケでもなんでも支払いは可能だからどうだい?」
 
ユディー「じゃ、じゃあひとつ…」
 
店員「そこのお兄さんこっちの人形焼きもおいいよー!おいでおいで!」
 
店員「こっちは技マシン10枚買ったら1枚サービスしゃうよ!」
 
ユディー「え、じゃあ…;」
 
ロン「…無限地獄に落ちてるなありゃ」
 
レナ「ユディーさん……」
 
 

アテナ「ユディー、その量どうしたの。すごいよー」
 
ユディー「すいません、なんかいつの間に…」両手どっさり
 
ロン「…」ジト目
 
レナ「カレーの匂いに負けて…つい」
 
ロン「周りから見れば俺達も立派なお客様なんだろうな」
 
アテナ「何しに来たんだろうね、俺達」
 
 

バトルフロンティア内、女神像前―
 
アテナ「ここは?」
ロン「女神像ってところだな。連勝記録とか、相性がいい相手と当てれるように神だよりするところって事」
 
レナ「二人とも腕は組んだものの、無言のままね」
 
ユディー「女神像は…ドサイドンじゃないんですね。なんでライボルトなんです?」
 
ロン「ポケモンバトル公式審判委のトップがライボルトなんだよ。世界中のバトルフロンティアにこいつがあるぜ」
 
アテナ「悪趣味ー。あ、おみくじあるよユディー!勝利祈願かな?」
 
ロン「やめとけって、ここは凶しか出ない事で有名だぞ」
 
アテナ「その中から大吉引くのが醍醐味でしょ?よいしょ、ユディー手伝ってー」
 
カラカラカラカラ
アテナ「…21番だ、えーっと……あったあった」
アテナ「・・・・・・・・・」
アテナ「あああああああ!」
レナ「まさか大吉?」
アテナ「大凶だって…」
 

ユディー「だからよした方が良いんじゃないですか……なになに」
 
ユディー「『後悔に注意』それと『目上のヒトに注意』ですか」
 
ロン「後悔?」
 
レナ「目上のヒト?」
 
ロン「目上のヒトって言うと……お前んところの旦那さんか?」
 
アテナ「うーん、今思いつくのはガルシアかなぁ…?」
 
レナ「という事はアテナさんが後悔するようなことを…?」
 
アテナ「怖い事言うなよ」
 
ユディー「こういうのは事前に注意すれば大丈夫ですよ。安全確認ヨシ!ってやつです!」
ロン「それはフラグだ」
 
レナ「アテナさんは心掛けが良いから大丈夫ですよ」
 
アテナ「うん…気を付ける」
 
ロン「だからやめとけと。落ち込むくらいなら引くなって」
アテナ「うん・・・よし!」
アテナ「大吉が出るまで引き直そう!」

一同(だーめだこりゃ)
 
 
 
それから時間が経過してドンを追うように馬車に乗り込んだ。
―馬車内―
 
アテナ「結局大吉出るのに8000円も使っちゃった。今週お小遣いが…」
 
ユディー「後悔ってこの事ですね…」
 
レナ「じゃ目上のヒトって?」
 
ユディー「そこまで当たりはしないでしょう」
 
ロン「今は…夕方前か。このまま港町に戻って食事するか、このまま基地に帰って解散って流れだろうな」
 
アテナ「結局腕組んだのと、手をつないだくらいだったよね」
 
ユディー「何を期待していたんですか?」
 
アテナ「そーゆー事じゃないよー?ただ、リトに一発ぐらい殴られると思ったんだけどね」
 
ロン「期待外れ…普通のデートを見させられた感じだったな」
 
ユディー「僕たち、普通にポケルディアで観光してしまいましたよね」
レナ「…ね」
 
ロン「もうすぐ港町だ、どーせ何も起きなさそうだし、カフェ行って飯でも食いに行こうぜ」
 
アテナ「賛成ー。ファルト達も家で待ってるだろうしね」
 
ユディー「沢山買って、怒られませんかね……あ、運転手さん、僕達ここで降り」
 
一同「…ん?」
 
レナ「ねぇ…なんでスタジアム前通り過ぎたの」
アテナ「まさかまだどっか行くの?」
ロン「今度は運び屋に行って最上階のレストランで夕陽をバックに?」
ユディー「ドンさんが夕陽って…」
・・・・・・・・・・・・・
レナ「まだちょっとついて行く?」
一同「賛成」
 

―乗り換えて馬車内―
 
ロン「この方向は…北側の電気街か」
 
レナ「確かライフライン関係がある町だっけ」
 
アテナ「発電所とか?ドンが仕事で呼び出されたのかな」
 
ロン「なら俺にも連絡はくるはずだぜ………まさか」
 
ユディー「まさか?」
 

―電気街、ホテル通り前―
 
一同「…ん」
 
一同「……ん」
一同「……………ん?」
 
ユディー「今、降りましたよね」
 
レナ「え、えぇ…」
 
一同「  」
 
 
―××ホテル付近―
 

アテナ「え、なに…なにこれココ」
 
ロン「いや……まさかな。嘘だろ」
 
レナ「 」
 
ユディー「 」呆然
 
アテナ「ラ・・・・」
 
ロン「皆まで言うなアテナ!」
 
アテナ「えっ…だって…さっきまでアレだったよね?無言だったし……えっ、この展開するの?」
 
レナ「まさか……最初の時みたいに間違えて降りたはず…」
 
ユディー「ごめんなさい、ここまでの流れが理解できません…僕馬車内で寝てましたっけ」
 
アテナ「いきなり、いきなり初デートできちゃう?」
 
ロン「ドンは確かに時々ぶっ飛んでるとは思うが…………マジか」
 
ロン「もしかしたら初デートなんて思いこんでたのは俺達かもな」
 
アテナ「確かに、デートの話は聞いてないけどさ…」
 
ユディー「もしかしたら、もっと前からそれ以上の関係が出来あがっていたかもしれません…!?」
 
レナ「ぎこちないを通り越して夫婦みたいでしたしね…」
 
アテナ「確かにヒトは見かけによらないっていうけどさー」
 
 

ユディー「前で立ち止まって何か話し込んでますね」
 
レナ「…なんで」
 
ロン「なんか怒鳴ってるようにみえるな」
 
アテナ「まさかホントに初デートで…?」
 
ユディー「なら怒って当然ですね」
 
ロン「当然というより、最低だな」
 
レナ「悪い仲間に吹き込まれたのかしら…」
 
アテナ「見損なったよドン…」
 
 
 

ユディー「レナさん、殴込みに行きましょう!」
 
レナ「……そうね。」
 
アテナ「今回はユディーの言う通りだよ。」
 
ロン「待て、ドンがこっち見たぞ」
 
アテナ「えっ」
 
レナ「め…目があった?」
 
ユディー「こっちに…くる………?」
 
一同「げっ」
 
ノシノシノシノシ、ドスン!!!!
 
ロン「 ひ  え 」
 
ドン?「アンタら何よ!!!こんなところまでついてきて!」
 
アテナ「え?」

ドン?「ちょっとアンタ!こいつらやっておしまい!」
 
ユディー「え、あれ…ド…え?」
 
リト?「あ、その…あのぅ……軍のヒト、呼びますよ……?」
 
レナ「り…リトさん…え?ええええっ?」
 
ドン?「ドン?リト?誰よそれ!」
 
ロン「図体と体系は似てるが、よく見りゃアカの他人……あれ?」
 
ユディー「   」
 
ドン?「なによ、文句あるっての!?」
 
一同「・・・さ」
 
一同「さあああああああせええええええええええんでしたあああああああ!」ダダダダダダッ!!!!
 
 
ドン?「あっ逃げた!次追っかけたら容赦しないよ!」
リト?「・・・・・・」
 
 

―水道局付近、裏口前―

一同「ぜー…はー…」
 
ロン「なんとか、逃げ切ったな
 
アテナ「うん……なにあれ……全然さっぱり」
 
ユディー「ドンさんがドンさんじゃなくてリザードンで、リトさんがリトさんじゃなくてドサイドンでしたよねあれ」
 
レナ「えっえっえっえっえっえっ」
 
アテナ「じゃあ何、俺達ずっと、ずーっと」
 
一同『 ア カ の 他 人 の デ ー ト を 追 い か け て た ワ ケ ! ? 』
 
 
ロン「………はーーー!あほらし!誰だよアレがドンとリトだって言ったのは」
 
アテナ「俺じゃないよ」
 
レナ「私も違うますよ」
 
一同「………」
 
 
一同「………」
 
一同「あああああ!!!!!!」
 
レナ「甘党!」
アテナ「デブ!」
ロン「肉ダルマ!」
ユディー「ガルシアさん!」
 

ロン「よく見りゃ全然似てねーけど、あいつにああ言われちゃなぁ…」
 
ユディー「じゃあ僕たちガルシアさんに騙されて一日無駄にされたって事ですか!?」

一同「ずるっけーーー!!!!!!」
 
 

「そこのお兄さんたち、今晩遊んで行きませんか?」肩ポン
 
ユディー「ぎゃああああああああ!?!?!?!??!?!!!!!!!!?」
 
ガルシア「よう、まだやってたとはな」
 
アテナ「ガルシアー!だましたなー!」
 
ロン「何なんだよ肉ダルマ!」
 
レナ「今日だけはアンマリですよ!」
 
ガルシア「ははは…すまんな、別に騙すつもりはなかったんだがな」
 
ユディー「騙す気しかなかったんでしょう」
 
アテナ「もしかして、まさかずっと俺達の後を……」
 
ガルシア「……マドレーヌ、食べるか?」ニヤ
 
一同「  」
 

ロン「んでわざわざこんな事するんだよ!」
 
ガルシア「お前たち、覗くなって言われても除くだろう?」
 
レナ「うっ」
 
ガルシア「良かったじゃないか、皆でお出掛けできて」
 
アテナ「オチは良くないよ!」
 
ガルシア「まぁそう怒るな、カンパの金の中から奢るから」
 
ロン「元々は」
 
アテナ「俺達のお金なんだけど…」
 
ユディー「あの!じゃあドンさん達はどこに居るんですか!?」
 
ガルシア「今頃…船の上だろうな」
 
一同「?」
 
 
 
―豪華客船、内部レストラン―

リト「ごめんなさいね、メリおばさんったら急にクルージングに行かないとか言い出し
て」
 
ドン「大丈夫だよ。でも体調が悪いなんて言ってたが大丈夫なのか?」
 
リト「嘘よ、嘘。全くなんのつもりなんだか…」
 
ドン「?」
 
リト「でも今日はありがとね。良いガイドをしてくれて…調査でちょっと離れてるだけでもわからなくなっちゃって…」
 
ドン「今は色々出来るのが早いからな。俺もちょっとわからないのがいくつかあったけど」

リト「でも上手く行って良かった。メリおばさんも大喜びしていたわ。ありがとね」
 
ドン「俺も楽しかったよ。その、帰った時はメリさんによろしく伝えておいてくれ」
 
リト「そうね。ドンさんを気に言ってたみたいだし、今度も頼もうかしら?」
 
ドン「その時は喜んで。」
 
リト「でも珍しいわ。メリおばさんがあんなに褒めるなんて。ドンさんが好きなのかしらね?」
 
ドン「浮気はしないぞ;」
 
リト「ふふふっ」

リト「でも驚いたわ、まさか最後にこんな気の利いた所で夕食を用意してたなんて」
 
ドン「…いつものカレー屋か中華が良かったか?」
 
リト「夢にも思わなかったのよ。」
 
ドン「そうか……」
 
ドン(早朝にガイドブック読んでおいたのが助かったな…)
 

リト「………」
ドン「………」コクッ
 

二人「…乾杯。」